美術館・博物館

2009年2月25日 (水)

「加藤唐九郎・重髙・高宏 ―窯ぐれ三代」展へ行く

 『菊池寛実記念 智美術館』は初めて行く。以前は良く行った大倉集古館の斜め向いにある。

 狙いは加藤唐九郎の作品拝見。案外、加藤唐九郎の作品の展示はない。国立近代美術館にも展示されていなかった。茶陶の宿命か。

 今回は、加藤唐九郎の茶碗がどんなものかを見に行ったが、堂々たるものであったが、意外とおとなしいような気もした。

 収穫は加藤唐九郎の言う『背勢』がなんとなく理解できたこと。

 茶碗以外では、『絵唐津水差 銘 群鳥』(1943年)が良かった。骨格がしっかりしていて、びくともしない。細かいことは気にせずゆったりしている。絵も細部を気にせず描いてある。釉薬もやや厚めで温かみがある。

 あとは『織部異形皿』(1968年)が面白かった。遊び心がちょっと楽しいがちょっと緊張の伝わるような気もする。

 加藤唐九郎も『古典』になってきたかな。

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2009年2月 5日 (木)

『妙心寺展』に行く

 東京国立博物館の『妙心寺展』へ行く。

 妙心寺は結構行っているほうだが、大徳寺と同じように全体の宝物館、美術館がないため、しっかりと寺の美術品を見たことがない。まあ、塔頭の判断に任されているのであろう。禅宗寺院の成り立ちを考えれば当然かもしれない。

 その点を考えると、今回の企画はうれしいものがある。もっとも大寺院や宗派とタイアップした動員目当ての企画はあまり好きではないが。

 ただ、この『妙心寺展』は、日本美術史には欠かせない作品が出るので、期待して出かけた。ちょっと、前期、後期2回に分けてあるのが難点だが。

 中世水墨画では2点が気になった。

 狩野元信筆『瀟湘八景図 』 は安定的な構図である。比較的情緒の安定した人であったのではないか。また光の処理が素晴らしい。

 伝相阿弥筆『瀟湘八景図屏風』( 6曲1双)。この人が描いた世界は、遊んでみたい。

 近世障屏画では、 まず長谷川等伯筆『枯木猿猴図』 。この画をこんな近くで鑑賞できると感激である。猿の毛が実に鮮やかに描かれている。

 さらには狩野山雪の『老梅図襖』(旧天祥院障壁画 17世紀 アメリカ・メトロポリタン美術館蔵)。画面に押し込められてのたうち回るような老梅。しかし可愛い梅の花が咲いているのが救いか。

 最後に尊敬する正受老人の『遺偈』を見る。

 『坐死』

 末後一句

 死急難道

 言無言言

 不道不道

 正受老人が『一日暮らし』を提唱し、水上勉が実践し、本を書いた。正受老人の書は、繊細な感じがした。

 しかし、それにしても一緒に出ている白隠の画は痛快だ。佐藤康宏教授の言うところの絵画の反則技が面白い。

 海北友松の画は後期ということなのでまた観にいくことになろう。

 

 

 

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2009年2月 3日 (火)

『藤田喬平展』に行く

 千葉県立美術館の『藤田喬平展』に行く。ガラス工芸の展覧会ははじめて。非常な華麗さを感じる。

 ガラスとは身近なものを感じる。友人、知人の仕事や実家が理研硝子工業であったり、建築特殊硝子であったり、家庭用硝子であったりする。

 クリスタルのワイングラスもいくつ割ったり、割られたりしたかわからない。ヴェネチアの硝子工場見学も懐かしい思い出だ。

 しかし、ガラスと箱の繋がりを考えたこともなかった。さらには琳派との結びつきなど想像もできなかった。

 『飾筥』は、実用を超越した美への挑戦である。さらに素晴らしいのは、ガラスでなんとか風を表現しようとしているところにある。

 『風』(1984)『風・神』(1990)『迎い風』『追う風』(1991)

 その志は豊かだ。

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2009年1月 6日 (火)

『雪舟と水墨画』展

 『雪舟と水墨画』展(千葉市美術館/岡山県立美術館)へ行く。

 まずは牧谿『老子図』に敬意を表する。

 次いで、雪舟の『山水図』(倣玉澗)。この絵を見るには、そもそも玉澗について知らなければならない。俄か勉強では、南宋末から元初の画人らしい。省略画法を得意とし、微妙な陰影の変化を表現し個性的な特色をもつ作品を描いたといわれている。

 雪舟がそのとおり模写したとすると、結構粗い感じの画で、日本では好まれたものかも知れない。戸田禎佑『牧谿・玉澗』(『水墨美術大系』3という本もあるらしいので、研究する必要がある。

 だだ、重要なのは雪舟がいかなるときも、中国に学んだということであり、日本美術は東アジアのなかで考える必要がある。

 雪舟の作品といえば、「拙宗等楊」の作品も展示されている。雪舟の前身という説があるが、作品ではどうも伝わってくるものがない。

 もう1枚の雪舟の『渡唐天神図』というのもあまり面白くない図柄で、雪舟が描いたのという感じ。

 最近、山水図屏風の見かたに感じるところがあったので、雲谷等益の『楼閣山水図屏風』で試してみたところ、どうも俗な空間で行ってみたくない。

 それに比べて、鉄斎は掛け軸でも面白くて楽しそうなので喜んで行ってみたい。第一鉄斎自身が楽しんでいるのでどうにもならない。

 一方、浦上玉堂は生き方は尊敬もし共感もしているのだが、画のほうはどうにも良さがわからない。多分当方が未熟のせいだろうから、もうしばらく付き合ってみたい。

 

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2009年1月 2日 (金)

新春のMOMAT

 朝、テレビ東京で江戸の職人芸の番組を見ていたら、東京国立近代美術館工芸館(MOMAT)へ行きたくなった。どうやら今日は無料開館日らしい。

 早速、出かけることとし、竹橋駅で降りる。本館の前を歩いて行くと、ちょっと当方の趣味が変わったかな、という感慨がある。

 堀端の坂道を上り、北の丸公園に入り、旧の近衛師団の建物に入る。

 中に入ると無料のうえ、『伊佐利彦ー型染の美』という展覧会のカタログまで頂いた。

 2階に上がって、着物、漆と見て、印象に残ったのは漆で黒田辰秋『赤漆流稜文飾箱』、高野松山『牡丹木地蒔絵手箱』。

 いずれも工芸における色、「赤い波」「黒い牡丹」といった問題を考えさせられた。

 次いで『人間国宝・巨匠コーナー』。とにかく名前が凄い。

 ここで印象に残ったのは、加守田章二 『灰釉鉦鉢』、田村耕一『白泥椿文壷』。

 もう少しゆっくり鑑賞しようとしたら、どうも参賀帰りの客が増えて、辻協の『信楽大鉢 月光』について若い女性が、洗面器だのなんだの言い出したので、そうそうに帰ることとした。

 これでは本館も同様と思い、静かな北の丸公園の中でウグイスを眺め、九段に向った。

 

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2008年12月27日 (土)

暮の東京国立博物館

 本年最後の博物館めぐりは、東京国立博物館へ。 閑静でゆっくり見られる環境。

 まずは、国宝室へ。『一遍上人伝絵巻 巻第七』が展示。有名な「京都市屋の念仏踊りの場面」が出ている。ゆっくり見てみると、保存状態も良く、全体に精密な絵で、特に下層民の状態が、詳しく描かれている。

 この絵巻については、実際に行ったという説となにか手本があって寺社の部分を描いたという説があるが、岩波文庫の『聖絵』の校注者大橋俊雄の解説は、聖戒を編者としたうえで、聖戒は実際にもう一度回って歩いたとある。

 しかし、絵は東京国立博物館の解説で「法眼円伊筆」となっており、画家自身が回って歩いたかどうかは不明である。故に、絵巻の表現に類似の表現が見つかれば、先人の表現を取り入れていることも考えられる。

 絵巻では、『清水寺縁起絵巻』が出ている。三条西実隆の詞は、見惚れた。

 陶器では、織部の手鉢、扇型蓋物が逸品で、解説を隅から隅まで読んだ。

 絵画では若冲の『松梅群鶏図屏風』。鶏を特異な角度から見る奇想の図形と特異な羽の表現だが、雌鳥の表情は可愛い。

 東洋館では、ベトナムの染付の優品が特別展示されているが、味わい深いものがある。

  今回の収穫は、『厚板』のことを知ったこと。これでまた美の世界が、また少し広がった。

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